離婚時の財産分与で経営者が自社株と経営権を守る方法を解説
離婚の財産分与で経営者が知っておくべき自社株と経営権の守り方
会社を経営している方にとって、離婚時の財産分与は個人の問題にとどまりません。自社株式が分与の対象になれば経営権そのものが揺らぐおそれがありますし、非上場株式は評価方法しだいで分与額が大きく変動するからです。
経営者の離婚における財産分与では、自社株の評価方法を正しく理解し、経営権に影響を与えない分与の進め方を知っておくことが欠かせません。
ここでは、非上場株式の主な評価手法や代償分割を活用した経営権の守り方、譲渡制限株式の取り扱いにおける注意点、そして弁護士に相談するメリットまでをわかりやすくまとめています。離婚を見据えて事業への影響を最小限に抑えたいとお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
経営者の離婚と財産分与はほりい綜合法律事務所へ
会社を経営している方の離婚では、預貯金や不動産だけでなく自社株式や役員退職金なども対象になり得ます。通常の離婚にはない複雑な論点が数多く生じるため、慎重な対応が求められます。非上場株式の評価方法だけを見ても、採用する手法によって金額が大きく変動するため、経営者側と配偶者側のいずれにとっても、専門的な知識に基づいた対応が欠かせません。財産分与の取り決めを誤ると、会社の経営権そのものに影響が及ぶ可能性もありますので、早い段階から離婚問題に精通した弁護士に相談しておくことが望ましいといえます。
ほりい綜合法律事務所は、平成24年の開設以来、離婚問題を中心に数多くのご相談に対応してきました。経営者の方が抱える自社株の財産分与や事業資産の取り扱いについても、個々の会社の規模や財務状況を踏まえたうえで、経営権への影響に配慮した解決策をご提案しています。離婚相談は2回目まで無料で受け付けており、Zoom相談にも対応していますので、北海道外にお住まいの方も気軽にご利用いただけます。
クレジットカード決済や分割払いにも対応しており、費用面での不安を軽減しながらご依頼いただける体制を整えています。経営者の離婚における財産分与でお悩みの方は、まずはお気軽にお問い合わせください。
離婚時に経営者が知っておくべき自社株式の評価と分与の考え方
会社を経営している方が離婚する場合、預貯金や不動産だけでなく、保有する自社の株式も財産分与の対象になり得ます。とくに非上場会社の株式は市場価格が存在しないため、どの方法で評価するかによって金額が大きく変わり、交渉が長引く原因にもなりかねません。
非上場株式の主な評価方法
上場企業の株式であれば証券取引所の時価をもとに算定できますが、非上場会社の場合は以下のような方法が用いられます。
純資産価額方式
会社の総資産から負債を差し引いた純資産額を発行済株式数で割り、1株あたりの価格を算出します。決算報告書があれば比較的簡易に計算できるため、実務でも用いられることが多い方法です。
類似業種比準方式
同業種の上場企業の株価を参考に、配当金額や利益などの数値を比較して評価額を導き出します。算定が複雑になりやすく、公認会計士や税理士の関与が求められるケースも少なくありません。
DCF法
将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いて企業価値を算出する手法です。将来予測に依存するため、双方の合意を得にくい場面もあります。
経営権を守るための分与方法
自社株を相手方に直接渡すと、議決権や配当請求権が移転し、離婚後も会社経営に影響を及ぼすおそれがあります。こうしたリスクを避けるため、株式は経営者側が保持したまま評価額に相当する金銭を支払う「代償分割」が用いられることがあります。
自社株の評価と経営権を守るために押さえておきたい分与対策
離婚によって自社株が相手方に渡ると、持ち株比率が変動し、株主総会での議決に影響を及ぼす可能性が生じます。離婚後も安定した事業運営を続けるためには、経営権に影響を与えない分与方法を選ぶ必要があります。
代償分割で株式の流出を防ぐ
経営者側が自社株をすべて保持し、評価額に見合う金銭や他の財産を相手方に渡す「代償分割」は、実務でも用いられている方法です。議決権や配当請求権が相手に移らないため、離婚後の経営体制を維持しやすくなります。ただし、評価額が高額になるほど代償金の負担も大きくなりますので、手元資金とのバランスを慎重に検討する必要があります。
配偶者が役員や株主になっている場合の注意点
夫婦で会社を運営してきたケースでは、配偶者も取締役に就任していたり、一定の株式を保有していたりすることがあります。株式の取り決めをしないまま協議離婚を成立させると、相手方は引き続き株主として権利を行使できる状態が残ります。離婚条件のなかで株式の帰属を明確にしておくことが欠かせません。
婚前契約による事前の備え
将来に備えて婚前契約(プレナップ)を締結しておく方法もあり、「自社株の取り扱い」について定めておく例もあります。ただし、婚前契約によって財産分与を完全に排除できるとは限らず、内容の公平性や締結時の事情によって効力が争われることもあります。締結にあたっては、あらかじめ弁護士に内容を確認してもらうことをおすすめします。
非上場株式が絡む離婚の財産分与で押さえるべきポイント
上場企業の株式であれば証券取引所の時価で評価額を確認できますが、中小企業やオーナー企業の経営者が保有する非上場株式には市場価格が存在しません。そのため、財産分与の場面では評価方法そのものが争点になりやすい傾向にあります。
譲渡制限がある株式の扱い
非上場会社の多くは、定款で株式の譲渡に会社の承認を必要とする「譲渡制限」を設けています。仮に財産分与として株式を相手方に渡す合意ができても、会社側が承認しなければ株主として認められません。将来の売却にも再度承認が必要となり、取得した側にとっても換金性が乏しいという問題があります。こうした事情から、実務では評価額相当の金銭で精算する方法が選ばれることが多くなっています。
評価の基準時をめぐる争い
非上場株式の評価では、いつの時点の財務状況をもとに算定するかも論点になります。財産分与の対象となる財産は別居時を基準に確定するのが一般的ですが、その評価額をいつの時点の数値で見るかについては考え方が分かれ、事案によって扱いが異なります。別居時と離婚成立時で業績が大きく変動している場合には、どちらの数値を採用するかで双方の主張が食い違うことも少なくありません。複数期の決算報告書を参照して評価する例もありますので、財務状況を正確に把握したうえで、基準時の考え方について弁護士に確認しておくことをおすすめします。
財産分与の請求期間は離婚から5年に延長されています
2026年4月1日に施行された改正民法により、財産分与を請求できる期間は、離婚のときから2年から5年に延長されました。評価や調査に時間を要する財産がある場合でも、以前より落ち着いて協議を進めやすくなっています。ただし、期間が経過すれば請求できなくなる点は変わりません。また、財産分与の割合は原則として2分の1とされていますが、個別の事情によって修正されることもあります。早い段階で財産の全体像と見通しを整理しておくことが大切です。
非上場株式の財産分与はほりい綜合法律事務所へ
ほりい綜合法律事務所では、経営者の離婚に伴う自社株の評価や財産分与についてのご相談を受け付けています。非上場株式の取り扱いに不安を感じている方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
【Q&A】経営者の離婚における財産分与についての解説
- Q1.経営者が離婚する際、自社株式はどのように評価されますか?
- A.上場株式は証券取引所の時価で算定できますが、非上場株式には市場価格がないため、純資産価額方式や類似業種比準方式などを用いて評価します。採用する方法によって金額が大きく変わるため、会社の状況に応じた手法の選択が求められます。
- Q2.離婚時に自社株を相手方に渡さずに済む方法はありますか?
- A.経営者側が株式を保持したまま、評価額に相当する金銭を支払う「代償分割」が用いられることがあります。議決権や配当請求権が移転しないため、経営権を維持しやすくなります。婚前契約で株式の取り扱いを事前に定めておく方法もありますが、その効力が争われることもありますので、内容は慎重に検討する必要があります。
- Q3.非上場株式の財産分与ではどのような点が争いになりやすいですか?
- A.非上場株式には譲渡制限が設けられていることが多く、現物での分与が難しいため、評価額をめぐる争いが生じやすくなります。いつの時点の財務状況を基準にするかも論点になりやすく、基準時の考え方は事案によって分かれますので、別居時と離婚成立時で業績に差がある場合はとくに慎重な検討が必要です。
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