離婚で住宅ローンのある家を財産分与するときに知っておくべきこと
財産分与と住宅ローンの関係を離婚前に押さえておきたい基礎知識
離婚を検討する中で、住宅ローンが残っている持ち家をどう分ければよいのか、不安を感じている方は少なくありません。財産分与の対象になるのかどうか、ローンの返済義務は誰が負うのか、名義はどう変更すればよいのかなど、疑問は次々と浮かんでくるものです。
離婚時の財産分与において住宅ローンの残る不動産は、トラブルになりやすい問題です。不動産の時価とローン残高の関係によって対応が大きく異なり、判断を誤ると離婚後の生活に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
ここでは、住宅ローンが残っている場合の財産分与の仕組みやオーバーローン時の持ち家の扱い方、名義変更の手続きと注意点をわかりやすく整理しています。
離婚時の財産分与と住宅ローンの問題はほりい綜合法律事務所へ
離婚にあたって住宅ローンの残る持ち家をどう分けるかは、財産分与の中でもとくに複雑な問題です。アンダーローンかオーバーローンかによって分与の方法が変わるだけでなく、不動産の名義変更やローンの借り換え、連帯保証人の解除など、金融機関との交渉も絡んできます。法律面からの慎重な検討が欠かせない問題であり、ご自身だけで判断を進めると、離婚後の生活に思わぬ影響を及ぼしかねません。
ほりい綜合法律事務所は、2012年の開設以来、離婚問題に注力してきた実績があります。住宅ローンが残る不動産の財産分与についても、不動産の査定額とローン残高の関係を踏まえたうえで、売却するのか住み続けるのか、名義をどう整理するのかといった選択肢を丁寧にご説明しています。離婚相談は2回目まで無料で対応しており、納得のいくまでご相談いただける環境です。
お子さま連れでもご来所いただけるバリアフリー設計の事務所で、Zoom相談にも対応していますので、遠方にお住まいの方もご利用ください。クレジットカード決済や分割払いにも対応しており、費用面での不安をお持ちの方も安心してご依頼いただけます。
離婚時に住宅ローンが残っている場合の財産分与の仕組み
離婚にあたって持ち家をどう分けるかは、多くの方が頭を悩ませる問題です。預貯金であれば金額を半分に分ければ済みますが、不動産はそう簡単にはいきません。住宅ローンの残債がある場合、財産分与の仕組みを正しく理解しておかないと、離婚後に思わぬトラブルを抱えることになりかねません。
まず押さえておきたいのは、不動産の「今の価値」と「ローンの残高」の関係です。2つの差額によって、財産分与の方法が大きく変わります。
アンダーローンの場合
不動産の時価がローン残高を上回っている状態を「アンダーローン」と呼びます。たとえば、自宅の査定額が2,000万円でローン残高が1,200万円であれば、差額の800万円が分与の対象です。原則2分の1ずつ分け合うのが基本的な考え方になります。
売却して現金化すれば、ローンを完済したうえで残った金額を分配できますので、明快な清算方法といえるでしょう。
オーバーローンの場合
ローン残高が不動産の時価を上回っている状態が「オーバーローン」です。不動産の評価がマイナスとなるため、その不動産自体は分与の対象とならないのが原則です。もっとも、他にプラスの共有財産がある場合には、マイナス分をどのように扱うかについて考え方が分かれることがあります。返済義務は引き続きローン名義人が負います。
分与の前にやるべきこと
財産分与を適切に進めるためには、不動産の査定額を把握しておく必要があります。ローンの残高や契約内容、連帯保証人の有無なども確認しておくと、話し合いがスムーズに進みやすくなるでしょう。
オーバーローンの持ち家は離婚時にどう扱われるのか
住宅ローンの残高が不動産の時価を上回っている「オーバーローン」の状態では、売却してもローンを完済できないため、持ち家の扱いが悩ましくなります。
原則として財産分与の対象にならない
オーバーローンの不動産は資産としての評価がマイナスです。財産分与はプラスの財産を分け合う制度ですので、マイナス評価の不動産そのものは分与の対象とならないのが原則です。もっとも、預貯金や有価証券など他にプラスの共有財産がある場合には、住宅ローンのマイナス分を他の財産から差し引くかどうかが争点になることもあり、事案ごとの検討が必要です。
どちらかが住み続ける場合
お子さまの学校や生活環境を考慮して、一方が住み続けるケースも少なくありません。その場合、ローン名義人がそのまま返済を続けるのが一般的です。ただし、名義人が家を出て名義人ではない側が住み続ける状況では、契約違反とみなされ金融機関から一括返済を求められるおそれがありますので注意してください。
任意売却という選択肢
金融機関の同意を得たうえで、ローン残高を下回る価格での売却(任意売却)を検討する余地もあります。売却後も残ったローンの返済義務は消えませんので、離婚協議の中で負担の分け方をあらかじめ取り決めておいてください。
オーバーローンの場合はローン返済の負担が一方に偏り続けるおそれがあります。早い段階で弁護士に相談し、ご自身の状況に合った選択肢を整理しておくことをおすすめします。
離婚にともなう住宅ローンの名義変更の手続きと注意点
離婚後も一方が自宅に住み続ける場合、住宅ローンの名義変更が必要になるケースがあります。しかし、住宅ローンは契約者本人の審査を経た契約です。返済途中で債務者を変更するには金融機関の承諾が必要であり、実際には認められないことが多くなっています。
名義変更が必要になる場面
ローン名義人が家を出て、名義人ではない側が住み続ける状況では、名義人の転居が契約違反となり、金融機関から残債の一括返済を求められるおそれがあります。こうしたリスクを回避するために、名義変更の手続きが求められるのです。
現実的な方法は「借り換え」
住み続ける側が別の金融機関で新たに住宅ローンを組み直す「借り換え」が、実務上よく選ばれている対応策です。新しいローンで元のローンを一括返済すれば、債務者を切り替えられます。ただし、安定した収入や返済能力が認められなければ、審査を通過できないこともあります。
不動産の名義とローンの名義は別物
不動産の所有権とローンの名義は法律上まったく別の権利です。法務局で不動産の名義だけを変更することは手続き上可能ですが、無断で行うとローン契約違反として一括返済を請求されるリスクがありますので、必ず金融機関への事前確認を行ってください。
財産分与の請求期間は離婚から5年に延長されています
2026年4月1日に施行された改正民法により、財産分与を請求できる期間は、離婚のときから2年から5年に延長されました。評価や調査に時間を要する財産がある場合でも、以前より落ち着いて協議を進めやすくなっています。ただし、期間が経過すれば請求できなくなる点は変わりません。また、財産分与の割合は原則として2分の1とされていますが、個別の事情によって修正されることもあります。早い段階で財産の全体像と見通しを整理しておくことが大切です。
住宅ローンの名義変更についてはほりい綜合法律事務所へご相談ください
ほりい綜合法律事務所では、離婚にともなう住宅ローンや不動産の問題について、ご状況に応じたアドバイスを行っています。名義変更や財産分与でお悩みの方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。
【Q&A】離婚時の財産分与と住宅ローンについての解説
- Q1.住宅ローンが残っている場合、財産分与はどのような仕組みで行われますか?
- A.不動産の時価がローン残高を上回っていれば、その差額が財産分与の対象です。この「アンダーローン」の状態であれば差額を原則2分の1ずつ分け合います。反対に残高が時価を上回る「オーバーローン」であれば、その不動産自体は分与の対象とならないのが原則ですが、他の財産との関係で扱いが分かれることもあります。
- Q2.オーバーローンの持ち家は離婚時にどう扱われますか?
- A.オーバーローンの持ち家は資産価値がマイナスとなるため、その不動産自体は分与の対象とならないのが原則です。ローン名義人が返済を続けるのが基本で、どちらかが住み続ける場合や任意売却を選ぶ場合など、状況に応じた対応が求められます。
- Q3.離婚後に住宅ローンの名義変更はできますか?
- A.住宅ローンの債務者の変更には金融機関の承諾が必要で、実際には認められないことが多くなっています。住み続ける側が別の金融機関で借り換えを行い、元のローンを一括返済する方法が現実的な対応策です。金融機関に無断で不動産名義だけを変更すると契約違反となるおそれがあります。
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