退職金の財産分与を離婚時に請求する方法と計算の基準や相場を弁護士が解説

退職金の財産分与を離婚で実現するための計算方法と手続きの流れ

離婚を考えたとき、退職金が財産分与の対象になるかどうかは、老後の暮らしを大きく左右する問題です。とくに婚姻期間が長い熟年離婚では退職金の金額も高額になりやすく、分与をめぐって配偶者と意見が対立するケースも少なくありません。退職金の財産分与は、婚姻期間に対応する部分を分け合うのが基本的な考え方で、その割合は原則として2分の1とされています。ただし、まだ支給されていない退職金の扱いや計算方法には複数の考え方があり、割合も個別の事情によって修正されることがあります。

ここでは退職金が財産分与の対象となる条件や具体的な計算の基準、分与額の相場についてお伝えします。相手が退職金を渡さないと主張した場合の対処法もあわせてご確認ください。

離婚時の退職金と財産分与はほりい綜合法律事務所へご相談ください

離婚に際して退職金を財産分与の対象に含めるかどうかは、老後の生活設計を左右する大きな問題です。退職金は給与の後払いとしての性質を持つため、婚姻期間中に積み立てられた部分については夫婦の共有財産として分与の対象となり得ます。ただし、まだ支給されていない退職金の評価方法や計算基準は複雑で、相手方が分与に応じないケースも少なくありません。適切な金額を確保するためには、法的な知識に基づいた対応が求められます。

ほりい綜合法律事務所は、平成24年の開設以来、札幌で離婚問題に注力してきた実績があります。開設以来一貫して離婚に伴うお金の問題に取り組んでおり、財産分与や養育費といった経済面のご相談にも数多く対応してきました。離婚相談は2回目まで無料で対応しており、納得のいくまでじっくりとお話をうかがえる環境を整えています。クレジットカード決済や分割払いにも対応していますので、費用面での不安がある方もご安心ください。

お子様連れでのご来所も歓迎しており、バリアフリー設計の事務所でゆっくりとご相談いただけます。Zoom相談にも対応していますので、北海道外にお住まいの方からのご依頼もお受けしています。

まだ受け取っていない退職金の財産分与における計算の考え方

相談するスーツ姿の男性と高齢者

離婚の時点で退職金がまだ支給されていない場合でも、婚姻期間中に積み立てられた分については財産分与の対象となり得ます。ただし、将来受け取る予定の退職金をどのように評価するかはやや複雑な判断を伴います。

自己都合退職を基準にした算定方法

財産分与の対象を確定する基準時である別居時(別居していない場合は離婚時)に自己都合で退職したと仮定して、その時点で受け取れるはずの退職金額をもとに算定する方法です。算定式としては「自己都合退職時の退職金見込額×婚姻期間÷勤務年数」が用いられるケースが多く見られます。定年まで相当な期間が残っている場合には将来の支給が確実とはいえないため、この方式が採用されやすい傾向にあります。

定年退職を基準にした算定方法

定年まであと数年程度と比較的近い場合には、定年退職時に受け取る予定の退職金額を基礎とする方法が用いられることもあります。本来は将来受け取るはずの金額を前倒しで受領する形になりますので、民法で定められた法定利率に基づく中間利息を差し引いて現在の価値に引き直す処理が加わります。

どちらの方式が適用されるかは事案次第

どちらの計算基準が採用されるかに明確な線引きはなく、定年までの期間や勤務先の経営状態といった個別の事情を踏まえて判断されます。熟年離婚のように定年退職が間近に迫っている場合には後者が採用されやすく、財産分与の対象額が大きくなる傾向もあります。ご自身のケースでどちらの方式が採用される見込みかを把握するためにも、早めに弁護士へ相談されることをおすすめします。

熟年離婚で退職金を分ける場合の相場はどのくらいか

指輪を外した人の手元の様子

退職金の財産分与がどの程度の金額になるのか、具体的な相場を知りたいという方は少なくありません。退職金そのものに決まった分与相場があるわけではなく、婚姻期間や退職金の総額、勤務年数といった個別の事情によって金額は大きく変動します。

財産分与の割合は原則2分の1

退職金に限らず、財産分与の割合は原則として2分の1とされています。ただし、一方の特別な貢献や個別の事情が認められる場合には、この割合が修正されることもあります。たとえば退職金2,000万円のうち婚姻期間に対応する部分が1,500万円であれば、その半額にあたる750万円が一つの目安になります。これはあくまで単純化した計算例で、実際には他の財産や個別の事情を踏まえて調整されます。婚姻期間が長い熟年離婚のケースでは勤務期間と婚姻期間の重なりが大きくなりますので、分与の対象となる金額も膨らみやすい傾向にあります。なお、退職金だけでなく預貯金や不動産なども含めた財産全体で計算する点にも注意が必要です。

分与額を左右する要素は多岐にわたる

実際の分与額は、退職金の総額と婚姻期間の長さだけで決まるものではありません。配偶者が共働きであった場合には双方の退職金を合算して計算する必要がありますし、すでに退職金を受け取っているケースでは、離婚時点で手元にどれだけ残っているかも問われます。生活費や住宅購入に充てられた分は分与の対象から外れる可能性もあるでしょう。金額の見通しを正確に立てるには、ご自身の状況を整理したうえで弁護士に相談されることをおすすめします。

退職金を渡さないと言われた場合の対処法と手続きの流れ

離婚協議の中で、配偶者から「退職金は自分が働いて得たものだから渡さない」と主張されるケースは珍しくありません。もっとも、退職金は法的に財産分与の対象となり得る財産です。相手が渡さないと主張している場合でも、適切な手続きを踏むことで請求が認められることがあります。

まずは退職金に関する情報を把握する

分与を求めるにあたっては、相手の退職金がどの程度の金額になるかを把握しなければなりません。相手が情報の開示に応じない場合でも、調停や審判の手続きの中で家庭裁判所を通じた調査嘱託や文書提出命令によって、勤務先に対し退職金額の開示を求める方法があります。

協議がまとまらなければ調停や審判へ

話し合いで合意に至らない場合には、家庭裁判所に財産分与の調停を申し立てます。それでも折り合いがつかなければ審判に移行し、裁判官が分与の内容を決定します。

将来の支払いを確実にするための備え

退職金がまだ支給されていない段階で分与が決まった場合、離婚協議書を公正証書として作成し、強制執行認諾条項を付けておくことが大切です。万が一支払いが滞った際にも、判決を得ることなく差押えの手続へ進めます。実際の申立てには送達証明書や執行文の取得が必要ですので、手続の流れは弁護士にご確認ください。

財産分与の請求期間は離婚から5年に延長されています

2026年4月1日に施行された改正民法により、財産分与を請求できる期間は、離婚のときから2年から5年に延長されました。評価や調査に時間を要する財産がある場合でも、以前より落ち着いて協議を進めやすくなっています。ただし、期間が経過すれば請求できなくなる点は変わりません。また、財産分与の割合は原則として2分の1とされていますが、個別の事情によって修正されることもあります。早い段階で財産の全体像と見通しを整理しておくことが大切です。

退職金の財産分与でお悩みならほりい綜合法律事務所へ

ほりい綜合法律事務所では、離婚に伴う財産分与のご相談に幅広く対応しています。退職金の分与をめぐるお悩みは、お問い合わせフォームからご連絡ください。

【Q&A】離婚時の退職金と財産分与についての解説

Q1.まだ受け取っていない退職金の計算方法にはどのようなものがありますか?
A.主に2つの方式があります。離婚時に自己都合退職したと仮定して算定する方法と、定年退職時の見込額から中間利息を差し引いて現在の価値に引き直す方法です。定年までの期間や勤務先の経営状況によって採用される方式は異なります。
Q2.熟年離婚で退職金を財産分与する場合の相場はどのくらいですか?
A.退職金の分与割合は原則2分の1とされ、婚姻期間に対応する部分が対象となります。ただし、個別の事情によって割合が修正されることもあります。熟年離婚では婚姻期間と勤務期間の重なりが大きくなるため、分与額も高額になりやすい傾向です。
Q3.配偶者が退職金を渡さないと主張した場合はどうすればよいですか?
A.協議で合意できなければ、家庭裁判所に財産分与の調停を申し立てましょう。相手が退職金の情報開示を拒んでも、調査嘱託や文書提出命令によって勤務先への照会が可能です。

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